パ・リーグは近年ほぼソフトバンクの1強時代になっていましたが、
今年のペナントはとても面白い展開になっています。
オリックスバファローズと千葉ロッテマリーンズという、ここ最近では下位に低迷することが多かった2チームが快進撃を見せ、優勝争いを繰り広げています。。
オリックスは1996年以来、千葉ロッテは2005年以来(※プレーオフでの優勝の為、勝率1位優勝なら1974年以来)の優勝をかけて残り約30試合。
その2チームの快進撃を私なりに分析してみました!
①打撃陣
近年両チームが下位に低迷していた理由としては、打撃陣がいまいち振るわなかったという点だと思います。
それが今年はチーム打率1位オリックス(.250) 2位千葉ロッテ(.249)と打っています。
またチーム本塁打数もオリックス(105本) 千葉ロッテ(104本) とリーグ1,2位となっています。※9/18時点
打線は水物、野球は投手力が大きいとは言いがちですが、やはり点が入らないと勝てないというは間違いありません。
またMLBでも話題となったフライボール革命が日本にも浸透してきたことで各チーム、選手の意識も変わりつつあるのではないでしょうか?
簡単に言うとゴロ打ちを避け、意図的にフライを打つ打撃理論ですね!
■千葉ロッテ
♦2019年に導入した『ホームランラグーン』
zozoマリンスタジアムは風が強く打者不利な球場であった為、2011年には西武ライオンズの中村剛也一人(48本)にチーム本塁打数(46本)が負けるという珍事もあったくらいです。
これによってチーム本塁打数も大幅に増えています。
パークファクターといった球場の特性を評価する指標もかなり良くなっています。
♦レアード、マーティンといった長打を打てる外国人選手がいる
打率 | 本塁打 | 打点 | 出塁率 | 長打率 | OPS |
.279 | 24 | 78 | .346 | .504 | .850 |
打率 | 本塁打 | 打点 | 出塁率 | 長打率 | OPS |
.249 | 25 | 70 | .374 | .537 | .911 |
※9/18時点
両者がチームを引っ張っているといっても過言ではない。
日本人打者だけでクリーンナップ固定というのは難しく、やはり外国人の活躍なくては優勝はできないと思います。
♦若手・中堅・ベテランのバランス
まだまだレギュラー定着とは言えないが藤原恭太、安田尚憲、山口航輝などの若手大砲候補が良い活躍を見せており
また荻野貴、角中のベテラン勢の活躍と中村奨吾、藤岡などの中堅選手も順調に主力化してきており、隙のない打線になっています。
■オリックス
♦選手の台頭
当たり前といえば当たり前なのですが、優勝するチームは思ってもいなかった選手が台頭してきます。
そういう選手がかなり多いのが今年はオリックスだったのではないでしょうか?
杉本裕太郎、宗佑磨、福田周平の3人がレギュラー定着してことが打線に勢いをつけました。
杉本に関しては現在本塁打27でリーグトップです。※9/18時点
もしホームラン王をとれば、オリックスのホームラン王は2010年のT‐岡田以来となります。
去年までは吉田正尚頼みという打線で、吉田自身の敬遠数もかなり多く得点不足でした。
出塁能力の高い福田、宗の1,2番と後ろにホームラン王の杉本、となれば
もちろん得点力は上がりますね。
しかし現在吉田がケガで戦列を離れており、オリックスにはかなりの痛手となっています。
②投手陣
投手陣はチーム防御率3位オリックス(3.53) 5位千葉ロッテ(3.71)と打撃ほど目立った数字ではありません。
しかし両チームとも唐突した強みがあります。
■千葉ロッテ
♦中継ぎ陣の安定感
先発陣は不安定なところが見られ、規定投球回数に達している選手は0人です。
しかし今シーズン救援陣がかなり頑張っており、不安定な先発陣を支えているのではないか。
ドラフト1位で入った佐々木千隼がセットアッパーとして定着、守護神益田の2枚が安定しているのは大きいと思います。
防御率 | 登板数 | 勝利 | 敗戦 | ホールド | WHIP |
1.15 | 44 | 8 | 0 | 20 | 0.89 |
防御率 | 登板数 | 勝利 | 敗戦 | セーブ | WHIP |
1.69 | 56 | 1 | 4 | 33 | 0.86 |
※9/18時点
圧倒的なスタッツを残していますね。
ここに便利屋の小野、東妻、田中といて
終盤にDeNAからトレードで獲得した国吉も大奮闘しています。
ケガで戦列を離れていますが、唐川もシーズン序盤はセットアッパーとして活躍していました。
吉井投手コーチの「できる限り3連投はさせない」という投手管理も好成績に繋がっていると思います。
■オリックス
♦安定の先発陣
ロッテとは正反対で、中継ぎ陣は不安定な状態が続いていました。
しかし先発投手が大活躍。今期のオリックス快進撃の第1の要因であると思います。
防御率 | 登板数 | 勝利 | 敗戦 | 投球回 | WHIP |
1.46 | 21 | 14 | 5 | 153.2 | 0.87 |
防御率 | 登板数 | 勝利 | 敗戦 | 投球回 | WHIP |
2.26 | 19 | 11 | 2 | 123.1 | 1.01 |
いうまでもなくこの二人の活躍が優勝争いの立役者でしょう!
規定投球回の1,2位がこの二人となっています。そりゃ強いわけです・・・
また田嶋、山崎福也などの先発もローテーションを守っており、先発がゲームを作っている試合は多いですね。
♦若手の積極起用
中嶋監督が就任してから、積極的に若手が起用されるのが目立ちます。
山崎颯一郎、本田仁海などの先発、富山、村西、吉田凌などの中継ぎ陣。まだまだ1軍定着とまではいきませんが、今後のオリックスの未来を担う選手になるでしょう。
そこに平野、能見、山田、増井といった実績のあるベテランの支えもあり、快進撃に繋がっています。
まとめ
両チームに共通していることが、
- 長打、チャンスで打てる打者がクリーンナップにいる
- ベテランと若手のバランス
- 投手にも圧倒的な強みがある
この辺りが快進撃の要因だと思います。
現状では千葉ロッテがかなり有利になっていると思いますが、まだ約30試合あるので
今後の行方が楽しみです!
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